チームと長距離相関
チームが自立して動いていくとは、どういう現象なのかを考えていたんですが、 ひとつ重要な要素としてチームの規模があるんじゃないかと思いました。
チームの構成員の向いている方向を古典スピンだと見做して、スピン間に(なんでもいいんですが例えば)XY型の相互作用が働いている思うと、 1次元鎖、2次元格子くらいの結合度だとまとまらなく、3次元格子になって初めて全体の方向がまとまる(=自発的に長距離相関が現れる)ので。 結合度が低く自発的な相関が保てない場合に、無理やり全体をまとめようとすると、 外場(=チーム外からの要請)で強制的に方向づけるとかしかなくなってしまいますね。
単純なスピンですらそうなので、人間はもっと複雑なんだろうと思いました。一人一人違うしね。
パワー
『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』を読んだ
本といえば技術書や専門書みたいなものばかりを読んでいて、それ以外の本はあんまりだったのですが、 最近は少し意識して読むようにしています。この本はそのうちの1冊。
数年前に急逝した任天堂の前々代の社長だった岩田聡さんのが語った言葉(主にインタビュー)を集めた本です。 格好をつけたところのない素朴な語り口で、プロダクトを作るとは何か、組織を動かすとは何か、というのを あくまで経験ベースで話をしている、という印象をうけました。
卓越した能力をもつプログラマーだったことは、数々のエピソードを通じて広く知られていることと思いますが、 それよりも注目したのは、ものづくりに対するプロセスの中で言葉を大切にしているということで、 親しかった糸井重里氏の影響があったのでは、という指摘がされていたことです。
寄せ集めでできた本なので、全体で一貫して何かのメッセージを持つ本ではありません。 ただ、一つ一つの言葉に魅力が詰まっていて、これからも何度も読み直す本になりそうです。
Game Programming Patterns を読んだ
デザインパターンの分かりやすい解説書だと、どこかで聞いたので読んでみた。
タイトルに「ゲームプログラミング」が入ってるが、 ゲームプログラミングらしいグラフィクスやAIの話があるわけではなく、 徹底的にソフトウェアアーキテクチャの本である。 ただ、サンプルにはゲームの例(キャラクターがいてコントローラからの入力を受けて動く等)があるので 一切ゲームに触れたことがない人には難しいかもしれない。 そんな人は滅多にいないと思うけど。
自分はこれまでデザインパターンを体系的に学んだことがなく、 業務でも「なんかしっくりこないな〜」という感じがよくあったのだが、 この本を読んである程度は整理ができた気がする。
特にパターンごとに提示される具体的な例が秀逸で、 安直な方法がどういう点で行き詰まるのかを先ず見せてくれて、その上でデザインパターンでどのように解決するのか、という展開があるので、 パターンの意義がとても納得しやすかった。
終盤にある最適化のパートが、ハードウェアアーキテクチャに少し踏み込んだ話で、 おそらくデザインパターンの本にしては異質なんだろうけど、そこがまた面白かった。 クラス間の疎結合に設計しても、パフォーマンス向上のために クラスを解体して結合を一部復活させるとか、そういう泥臭い話があった。 そういった例でも、オブジェクト指向に反するように見えつつ本質的には疎結合が保たれていて、 デザインパターンを習得するというのは、形式的なクラス図が描けるということ以上に、 そういうセンスを磨くことなんだろうなと思った。
2019/9/26
Quantum Reservoir Computing
のネタをとある実験の方々に提案してみたら、 予想外の方向に助言が頂けて、その方向で深めてみようという話となった。 面白そうな展開。
リンク
個人自己紹介サイトからこのブログ(というか日記)にリンクを貼ることにした。